D-Audio HPA-001作例集
※作例を作った方々へのお問い合わせは固くお断りします。※
D-Audio HPA-001の作例をご紹介します。
オペアンプや部品を変えるだけで手軽に様々な音質の変化を楽しめるアンプですのでご自身の制作の参考にしていただければ幸いです。
【作例①】('∀'●)ブナシメジさんの場合
ブナシメジさん @bushes0 作成 HPA-001 ExS 6Vバージョン
オペアンプはアナログデバイセズのAD8397ARDZだそうです。
この仕様は第2回オトモノ展示オフで5種類用意した試聴機の中で一番人気だった仕様です。
澄んだ繊細な音がして、一聴すると「なんか特徴がない?」と思わせておいて聴けば聴くほど「何もかもが気持ちよく鳴っている。」ということが解る恐ろしい仕様です。
左右に音場が広くて見通しの良い音で、落ち着きたいリスニングタイムにはもってこい。
作成者よりいい音を出して来る辺り、製作者のブナシメジさんには感嘆の賛辞をお送りするとともに強烈に地団太を踏んでる動画もお送りしたいと思います(笑)
ホワイトの着せ替えパネルと黒のタカチ8-2-13ケースでシンプルにかっこいいですね。
細身のボリュームつまみも引き締まった外観にマッチしてます。
そしてこちらが内部になります。
AD8397ARDZが光ります。
KEMETの導電性高分子アルミ固体電解コンデンサが12個並ぶ様はExSバージョンの醍醐味ですね。
こちらは基板の裏側…。
さすが次世代ハンダ付け神候補…見てて飽きないくらいに美しいハンダ付けです。
とても丁寧に作っていただいた上、波形を計測して追い込んだ結論!6V+AD8397ARDZ !
試聴機の中で圧倒的人気でした。
参考までに無負荷ではありますが、ブナシメジさんの計測結果です。
計測の力は偉大ですね。
(完成版販売していたのはコレのケースとオペアンプの仕様違いにオマケを付けたもの)
【作例②】だいずの場合
2番人気は ここのブログ主 だいず @diazu_hounds 制作の HPA-001 ExS +Bst S オトモノオフSP でした。
電源を9Vにすることによってオペアンプ選びの幅が広がるようになっています。
ハンダはLEDとその抵抗以外にオヤイデ電線が誇るSS47を使用!
オペアンプは旧ナショナル・セミコンダクター(現TexasInstruments)製のLM4562を採用。
Amazon | TI[ナショセミ]製 LM4562 2回路 DIP 8PIN デュアル 超低歪み 高性能 Hi-Fi オーディオ用 オペアンプ OPAMP | NFJ | パワーアンプ
【作例①】 に比べると厚みのある音作りになっています。
打ち込み系の音楽とかボーカル重視ならこちらかもしれません。
音場を僅かに犠牲にしてセンターの厚みを増しながら若干ドンシャリ系な音。
特にBst基板による低音のキレの良さは是非ご一聴いただきたいです。
着せ替えパネルに Karuhamiyan さん @Karuhamiyan 謹製の「熱抜きスロット付き軽量ケース」をあわせています。
初音〇クカラーですね(笑)
実は【作例①】も【作例②】も本体基板の部品はほとんど変わりません。(Exs仕様なので)
オペアンプの違いと6V・9Vの違い、Bst S 基板のあるなしで全然音色が違います。
【作例③】pokkeさんの場合
このアンプの基本設計をしていただいた pokke氏がオトモノオフのために貸し出してくださった 基本 of 基本 の設計者バージョン。
オペアンプは 日清紡マイクロデバイス株式会社 のNJM5532DDを採用。
HPA-001 Normal との違いはオペアンプだけです。
音場が縦横に広くて、音の定位がすごくハッキリして左右のセパレーションが良い。
解像度もあり低域から高域までキレがいいのでアイコニックな音が目立つ!
360Reality Audio や Dolby ATMOS との相性が非常に良かったのは面白いところ。
もしかしたら「ゲーミングHPA」というジャンルが成り立つかも!
基本の紫パネルに 前述のタカチの黒ケースをあわせています。
金属皮膜抵抗や導電性高分子アルミ固体電解コンデンサといった高級部品を使っていないのでお財布に優しいですが、押えるところは押えてR1,6 にはMUSE・ESを使用しているのがミソですね。
これが基本中の基本。
お財布に優しく、作り上げれば実用に足るものがきちんと出来上がる。
「初めて作るならコレでしょう!」というお手本です。
【作例④】Karuhamiyanさんの場合
さすが3Dプリンターマイスター。
いきなり推しの「結束バンド」仕様のケースが光ります。
Exsベースでオペアンプが日清紡マイクロデバイスのNJM8801を使用されてます。
御本人にお聞きしたところ「下から上まで誇張された感じがあまり無くて気持ちよく聴けます。お気に入りの一品🤩」ということで「お気に入り」認定いただきました(^^)
すっごい細かいところで恐縮なんですが、LEDの出っ張りがフロントパネルにきっちりツライチ合わせになってるところが個人的に大好きです。
ところで、お気に入り認定頂いたついでにいつの間にかこんなものを作っていただいていたようで…。
イカンイカンこういうの見ると無条件で電飾したくなる…。
上の写真だと「結束バンド」マークが入っていますが、マークなしであればBOOTHのkaruhamiyanさんのお店からデータ (プリントアウトは自分でJLCPCBに発注) が購入ができます。
トランスルーセントのアンプなんて特別な界隈の人以外は持ってないでしょうから、是非とも某イヤホン屋さんで視聴時に取り出して注目を浴びてください。
トランスルーセントでビックリされて、よく見たら3.5mm インプットの4.4mmアウトプットで3度見確定ですね(^_^)
【作例⑤】Kさん(匿名希望)の場合
見てくださいこの本体に貼られたビッシリのメモ!
「このアンプを楽しみ尽くしてやるっ!」という執念が現れていてカッコいいです。
11.2Vって何で供給したんだろうか…?
動作確認用のLEDの場所を移してあるのもポイントですね。
汎用基板から切り出したと思われるフロントパネルもメモと相まって「Kさんだけの無骨なHPA-001」を演出してくれています。
出力のコンデンサは敢えての東信のアルミ電解コンデンサ。
Linkman の可変抵抗とこだわりどころ満載です。
オペアンプはとっかえひっかえ中みたいです。
【作例⑥】ロンツカさんの場合
ロンツカ さん @ron2ka による Sバージョンの強化型です。
タカチの黒ケースにノーマルパネルだけど…なんか怪しいシッポが生えてますね…(^_^;)
さて、内部はというと。
おお?東伸のオーディオグレードコンデンサが見えます。
そして、作例初のトランジスタ変更です!
ROHMの 2SC1740(生産完了品) に変更との事。
気になる音質への影響は…?
オペアンプは MUSES8920 を採用(こちらも入手困難ですね…。)
だいずの感想だとやっぱりMUSESって「音楽的なゴージャスさ」が出て良いなあと思うのです。
さてシッポの正体は…なんとDCジャック!
コレは意表を突かれました。
据え置きで使えるようにDCジャックをパネルに取り付けたとの事。
こうすればいちいち電池交換しなくてもいい…しかも持ち出したい時はリアパネルと電源ソケット替えてしまうだけの簡単コンバーチブル!(^_^;)アタマイイ
9V 電源アダプタから DC電源ノイズクリーナー・ノイズフィルターを経由して電源供給する等、ノイズ対策にも隙なしっ!
「ヴォーカルはすっきり明るめで、分離感もよく、奥行を感じられ、ライブ音源も気持ちよく聴けています。」との事。
ロンツカ流据え置きスペシャル!
コレまたオンリーワンですね!
【作例⑦】しげさんの場合
しげさん @ficklewind_sf55 による HPA-001 ExS 6Vバージョン
外装はKaruhamiyan さんの排熱スリット付きのケースにオトモノオフ会場限定の初音◯クカラーのきせかえパネル。
やっぱり大口径のボリュームつまみをつけるとカッコいいですね。
オペアンプは MUSES8920 を採用
・以降しげさんから頂いたコメントです。
自分の回路は、基本はExS、スチコン150pFがなかったので100pFに変更、4.4mmはAli、LED点灯用抵抗を明るさが合う金属皮膜抵抗に変更しています。
作製時にコンデンサを4個→8個→12個に変更する過程で出力を確認し、次第に中高域が前に出てくるのがわかりました。
その後、bst基板を通して音を確認、全体的にパワフルな感じになり、低域がグッと前に出てくる感じがしました。
電源は9Vが良いと思いますが、電力消費が多く電池の消費が捗るため、外部9V電源か、単3電池4本であれば比較的長く使えます。
オペアンプは、4580DD、MuseS8920、LM4562で試していて、これからBA4580で確認するところです。最終的にBA4580かLM4562になるのではないかと思います。
いろいろな組み合わせができますが、長時間使う事と繊細な音が好きなので通常はBST基板なし、電池4本での使用、パワフルな音が欲しい時はBSTあり9Vで使用すると思います。
ケースはKaruhamiyanさんが頒布しているものに組み込んでいます。デスクトップガジェットとしてもいいな、と思っています。
【作例⑧】noritamaさんの場合
noritama さん @AudioNoritama によるHPA-001 ExS 9Vバージョンです。
外観はシンプルにタカチのブラックケース。
六角のボタンボルトが控えめなおしゃれポイント…色を見るとチタンなのかな?
C23のコンデンサが替わってますね。東信のオーディオグレードに見えます。
オペアンプはHPA-001と相性の良い日清紡マイクロデバイス株式会社 のNJM4580DDですね。
006P1本だと多少使用時間が短いかもしれませんね。
是非2パラ接続も試してほしいところです。
クリーンな外部電源を使用して「おうちオーディオ用」に。
こんな外部電源があれば電圧の変更による音質の変化が楽しめますね。
・以降noritamaさんから頂いたコメントです。
自分はExSを基に、抵抗の銘柄とコンデンサを一部変更して実装しています。
LEDはあまり眩しいのは好みではないので、砲弾型ではなく、表面実装タイプのLEDに足を生やして付けています。
自宅勤務時は、電池ではなくDC電源から電源を取るようにしています。
組み立てについては、部品表にあるパーツで実装する分には何も難しいことはないと思いました。
アンプ作ってみたいな、興味があるといった方は、秋葉原界隈もしくは、秋月電子、千石電商の通販サイトでパーツを集める
事ができるので、おすすおめかなと思います。
音については、メリハリがあり、かつ、曇りもないので、長時間聞いていても疲れることなく聴くことができます。
もちろん、実装するパーツによって音の違いが出てくると思いますが、それも、楽しみポイントかなと思いました。
1.組み立てについて
・自作1年ちょっとの自分でも悩まず制作することができた
・はんだ作業については、実装的に難しい箇所はなく愚直にはんだ面にフラックスを塗布し、はんだごてに
はんだを取り、はんだすれば、問題なく作業できるレベルです。
・組み立ての楽しみポイントは以下かなと思います。
①最初から部品リストに3種類のグレードが製作できるようにパーツ分けが記載されている。
②オペアンプをとっかえひっかえできる。
③はんだ面が密接しているわけではないので、後から自分が気に入ったパーツに容易に交換できる。
※コンデンサは直径8㎜以内のものを使う。
2.音について
・音場は縦横に広い。
・音の定位がすごくハッキリして左右のセパレーションが良い。
・解像度もあり低域から高域までキレがあって誰もが満足する音表現になっている。
・バスドラムのドンドンという音が心地よい。
いかがでしたでしょうか?
HPA-001は自分で好みの音を探すためのヘッドホンアンプです。
弄り倒してお好きな音に仕立て上げてください。
作例の写真や使った部品などお送りいただきましたら、このブログで紹介させていただきます。
是非とも感想をお聞かせください。
D-Audio HPA-Bst について
HPA-Bst について
HPA-Bst はD-AUDIO HPA-001 用のアクセサリです。
電源のレスポンス向上を目的としています。
※9V仕様にしている場合のみ指定のケースに収まるようになっています(2並列にも対応)
6V(単三4本) 仕様にしている場合はケースに収まりませんのでご注意ください。
導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ- を使用しているものを HPA-Bst S と呼称しています。
「そもそもこんなものをつけて音が変わるの?」
「ホントにコンデンサ換えたら音違う?」
とお思いの方。
是非ともご自身の耳でお確かめください。
【注意事項】
- このキットは実験機版です。
- 基本的にノンサポート・ノークレーム・ノーリターンです。
- 本品を使用して生じたいかなる損害・被害に関して当方は一切の責任を負いません。
【部品表リンク】
https://1drv.ms/x/s!AmZzPsFrYOCwlIgO9TAlYUXHGRpCUg?e=XPh6DV
【実装例】
D-Audio HPA-001 組み立て説明書
※部品表より先にこちらをご覧ください。
最後まで一度目を通してから部品表を基に部品集めをしてください。
【注意事項】
- このキットは実験機版です。
- 基本的にノンサポート・ノークレーム・ノーリターンです。
- 本品を使用して生じたいかなる損害・被害に関して当方は一切の責任を負いません。
- このキットに関して ぽっけさんに問い合わせをするのはご遠慮願います。大変な迷惑行為になります。
- このキットの基本設計は ぽっけさん によるものですが、もしも万が一「設計上おかしくないか?」「こんなん意味なくない?」等の感想を持たれた場合、その部分はだいずのリクエストにより変更・追加された部分である可能性大です。
このキットを ぽっけさん の設計手腕の判断材料に使わないでください。
【部品表リンク】
https://1drv.ms/x/s!AmZzPsFrYOCwk_V5IRKzKIYzOG76Nw?e=h4pkqB
【特徴】
1.タイプによる違い
HPA-001にはNormal・S・ExS の3タイプを想定してあります。
部品表のNo.の横にある "-" で組み立てればNormal "S"で組み立てれば Sタイプ、"ExS"で組み立てれば ExSタイプになります。(共用備品は"-"で表記してあります。)
Normal・S・ExS の3タイプ はあくまでタイプの違いでありNormalよりExSの方が音質がいいとは限りません。
音の感じ方には個人差がありますので、好みで組み立ててください。
なお、Normal< S < ExS の順で部品代は高くなります。
(部品表は随時更新されます。)
2.コンデンサの増減による音の違い
C11~22 までのコンデンサを増減することによって音質が変化します。
下図に示すように黄・赤・緑 の 4個単位でコンデンサを増減できます。
最初は黄色枠にコンデンサを実装してみて音を聴いてみて、赤枠、緑枠とコンデンサを増やしてみて音の違いを楽しんでみてください。
※コンデンサを取り付けた直後では音が安定していないことが多々あります。
200時間程度までは音が変化し続けるので、焦らずに聴き込んでください。
また取り付けるコンデンサの種類によっても音質が変化します。
部品表にないコンデンサを使用する場合、耐圧16V以上・高さ12㎜以下・本体径Φ8㎜のものを使用してください。
3.オペアンプによる音の違い
Normal・S ・ExS のタイプ違いでも指定のオペアンプが違いますが、タイプによらずオペアンプを交換することで音質の違いを楽しめます。
※オペアンプは2回路入りを選んでください。動作電圧には十分注意してください。
すべてのオペアンプが使用できるわけではありません。
音が出なかったり、ひどいノイズがのるものがありますので自己責任で選択してください。
(OPA1612やOPA627は動きませんでした。)
4.電源による違い
単三型4本と006P型 1本or2本で使用できます。
@pokke さんの基本設計では単三型4本を使用しています。
HPA-001では006P 9Vの使用を推奨しています。
※9Vにした場合 電源ランプが眩しくなってしまいますので R17を300kΩ以上の物に変更してください。
9Vにするとオペアンプの選択の幅が広がります。
また2並列にする事で使用時間が伸びますのでお試しください。
下図のような部品を作成して006P2本での運用ができます。
【必要な道具】
□ハンダごて(温度調整式が望ましい)
☆おススメ→ 本体:HAKKO FX-601 こて先:T18-D16
□ハンダ
☆おススメ→ goot RMAタイプ無洗浄はんだ 高密度集積基板用
お好みのはんだを使っていただいて構いませんが、慣れていない方はいわゆる「共晶ハンダ」に近いものをお使いになるほうが作業が圧倒的に楽で失敗が少なくなります。
高音質ハンダも各種売られていますが、オヤイデ電気のSS-47は比較的作業もしやすく鉛も入っていません。
□カプトンテープ(基板裏側の絶縁用)
□フラックス
☆おススメ→ HOZAN H-722
□フラックスクリーナー
☆おススメ→ FLUX CLEANER Z-275
□マスキングテープ(部品の仮止め用)
□ピンセット(必要に応じて)
□ニッパー(小型の物・主に部品の足を切るのに使います)
□六角レンチセット(ボリュームつまみ・六角穴付き止めねじ・六角穴付きボルト 用)
□ラジオペンチ(中型の物)
□カッターナイフ(基板を切り離すのに使います)
□ヤスリ(切り離した基板の形を整えるのに使います。)
【組み立て】
基本的に部品表の上から作っていけば問題ありません。
1.基板のカット
基板はメインの基板と表・裏の蓋が一枚になっています。(中央の蓋は使いません)
カッターナイフで2~3回傷をつけて、傷つけたほうから反対側へ折り曲げると簡単に折れます。
飛び出た部分はヤスリで削って形を整えてください。
(百均のダイヤモンドヤスリが便利です。)
2.抵抗の取り付け
抵抗は下図のように足を折り曲げ、基板の◎が付いたほうに抵抗の本体側を取り付けます。
R17に関しては9V仕様にした場合 LED1 が眩しくなりすぎてしまうので200KΩ以上の物を使用してください。
3.コンデンサの取り付け
コンデンサには下図のようなマークがついています。
マークと基板についている印を合わせてください。
※写真ではマークと基板の印がわかりやすいように浮かせていますが、実際の取り付け時には奥まで押し込んでハンダ付けしてください。
部品表にある ニチコンMUSE・ES と C2,3,5,6 のスチロールコンデンサ、C9,10の積層セラミックコンデンサには極性がありませんのでどちら向きに取り付けても構いません。
4.トランジスタの取り付け
Q1~4のトランジスタを取り付けます。
基板のマークとトランジスタの頭の形を合わせて取り付けてください。
トランジスタの足は放熱の役割も持っていますから、あまり奥まで押し込んで足を短くしないでください。
目安として基板からトランジスタのてっぺんが9mm程度になるようにすると良いかもしれません。
5.XHコネクタ ベース付ポストトップ型 の取り付け
向きを間違えると通電した瞬間にアンプが壊れます。
実装例の写真をよく見て、向きに注意してください。
このXHコネクタに部品表の 「バッテリースナップ XHコネクタ付」 を差し込みます。
つけたスナップに「電池ボックス 単3×4本 Bスナップ」をつければ6V運用になります。
つけたスナップに直接006P電池をつければ9V運用になります。
HPA-001ではオペアンプの選択の広さから9V運用をお勧めします。
6.フラックスクリーニング
ここまで実装したらフラックスクリーナーでクリーニングをしてください。
可変抵抗やジャックにクリーナーで溶けたフラックスが入り込むと不具合の原因になります。
7.スイッチ付き可変抵抗の取り付け
VR1のマーキングがあるところに可変抵抗を差し込みマスキングテープなどで仮止めして裏側からハンダ付けします。
この時しっかり仮止めができていないと可変抵抗が傾いてついてしまいます。
ハンダ付けが終わってから傾いていることが発覚すると足が8本もありますので、すべてを剝がすのに大変苦労します。経験がないとほぼ無理ゲーになりますので十分注意してください。
8.LEDのとりつけ
LEDにも極性があります。
足の長いほうが「+」で、基板の「▶│」マークの「│」側に足の短い「-」が来るようにします。
LEDにの取り付けは2通りあります。
①正面パネルの穴の奥からLEDの光がのぞくように取り付ける方法
極性を間違えないようにLEDを基板に差し込み、正面パネルを仮止めして穴の高さにLEDを合わせてズレないようにハンダ付けします。
②正面パネルの穴にLEDの発光部をはめ込む方法
極性を間違えないように、LEDを発行部から6mmのところをラジオペンチで90度に曲げて、取付穴に差し込んでおいて、正面パネルをVR1に仮止めします。
そのあと位置を合わせて正面パネルの穴にLEDの発光部を差し込んで高さを決定します。
その位置でズレないようにハンダ付けします。
9.3.5mmジャック・4.4mmジャックの取り付け
可変抵抗と同じようにマスキングテープで仮止めして、裏側からハンダ付けしてください。
浮いたり傾いたりすると正面パネルと位置が合わなくなって修正が大変です。
10.丸ピンICソケット(8P)の取り付け
オペアンプを基板の印向きにマスキングテープで仮止めして裏側からハンダ付けしてください。
この時にソケットの凹みと基板のマークを合わせてください。
向きを間違えると後々オペアンプを挿すときに間違いのもとになります。
オペアンプ交換で音の変化を楽しむ場合は下図のように IC1,2 の「丸ピンICソケット(8P)」を2段重ねにして、上のソケットは常にオペアンプを挿しておき、上のソケットごと抜き差しするとオペアンプの足を曲げないで済みます。
オペアンプはソケット(基板)の凹み側とオペアンプの上面にある凹みマーク(上面に〇がついているものもある)を合わせてください。
逆さに挿してしまうと電源を入れた瞬間にオペアンプが壊れます。
11.動作確認
この時点で動作確認をしてください。
まだ裏側を絶縁していないので金属製の物が裏側に触れないように注意が必要です。
12.カプトンテープの張り付け
動作確認が終わったら余分にはみ出た足を全てニッパーで切り落としてからカプトンテープで裏側を覆います。
カプトンテープを貼っておかないと裏側でショートして故障の原因になります。
必ずカプトンテープで絶縁してください。
13・ケースの組み立て
タカチ電気工業MX2-8-13 丸型モバイルケースを使います。
このケースは上下に二分割されていて前後からネジ止めすることによって上下が固定されるようになっています。
①前後がズレていないことを確認して、裏パネルを「ステンレス 六角穴付きボルト」で取り付けます。
パネルは若干の余裕を持たせてあるので、ボルトを締め込むときにボルトの回転方向にパネルがズレることがあります。
この時向かって右側のネジを先に仮止めして、左側をねじ込むときに裏パネルの位置をきっちり合わせてねじ込み、後から右側を締め込むとパネルの位置がきれいに決まります。
②続いて「六角穴付き止めネジ」を取り付けます。
止めネジをどこまで締め込んでいいか解らなくなるので、最初に止めネジに「黄銅(ニッケルめっき) ロ-レットナット ツバ付」を面一くらいになるように取り付けておきます。
③作成した基板に表パネルを取り付けます。
可変ボリュームに付いているナットを外して表パネルを取り付けますが、最初はあまり締め込まないでおきます。
ケースに収めてローレットを締めて位置が決まってから可変ボリュームのナットを締め込んで、表パネルの固定をします。
14.ボリュームにつまみの取り付け
最後にボリュームつまみを取り付けて完成です。
オリジナルヘッドホンアンプ HPA-001
【特徴】
- 3.5mm→4.4mm 変換機能付き ステレオヘッドホンアンプ
- ぽっけ @PokkeAmpInfo 氏による基本設計
- オペアンプの交換・電源の選択・部品の選定により音質の変化を楽しめる
- 用途によって単三電池×4 or 9V電池(006P型) を選べる電源
- 初めての方でも組み立てやすい基板構成(チップ部品を使いません)
- 比較的親切であろう部品一覧と組み立て説明書(WEBで提供)
【こんな方にオススメ!】
- 普段、スマホ+TWSで音楽聴いてるけど、もうすこし楽しく音楽を聴きたい人
- 「多段アンプってかっこいい!」って思うけどメーカー品は高いと悩んでいる人
- リケーブルに興味あるけど買うなら4.4mmバランスだよな…でもつなぐ機器がないよ…と途方に暮れている人
- DYIオーディオに興味があるけど、どれも難しそうで手を出しかねている人
【注意事項】
- このキットは実験機版です。
- 基本的にノンサポート・ノークレーム・ノーリターンです。
- 本品を使用して生じたいかなる損害・被害に関して当方は一切の責任を負いません。
- このキットに関して ぽっけさんに問い合わせをするのはご遠慮願います。大変な迷惑行為になります。
- このキットの基本設計は ぽっけさん によるものですが、もしも万が一「設計上おかしくないか?」「こんなん意味なくない?」等の感想を持たれた場合、その部分はだいずのリクエストにより変更・追加された部分である可能性大です。
このキットを ぽっけさん の設計手腕の判断材料に使わないでください。
【部品表】
blue-7 さん 作 ”Linear Mobile Battery 3S2P” を作ってみた【導入編】
【はじめに】
- この記事に関する内容をblue-7さんに問い合わせするのは絶対にやめてください。
- この記事を読んで起きた事、全てにおいて筆者も頒布者も一切の責任を負いません。
- すべて自己責任で行ってください。
【Linear Mobile Battery 3S2】
今回は blue-7 さん 作 ”Linear Mobile Battery 3S2P” を作ってみました。
このキット もちろん市販キットではなくいわゆる”同人キット”です。
↓こちらから購入することができます。
ですが、購入する時も
- 「サポートは一切ありません」
- 「仕様や組み立てにはある程度の知識が必要です」
- 「市販品ではございません、同人ハードウェアをご理解の上でのご購入となります。」
といったチェックボックスに「確認しました」と入れてあげないと購入画面に進みません。
【同人キットについて】
では、同人キットとは何でしょうか?
オーディオに関わらずご自身で設計ができる方が「これはみんなが使えたらいいかも!」と考え、設計した物を「基板のみ」や「一部部品付き」の形で購入できるようにしてくださった物です。
同人キットには多くの場合「販売」ではなく「頒布」という言葉が使われます。
広く配って行きわたらせること。また、広く行きわたること。(weblio デジタル大辞泉より) とありますが、多くの場合基板作成時に必要な費用の実費を購入者が負担する形になります。
購入時に販売ページをよく読めばわかりますが、購入したからと言って組み立てた後にたとえ全く動かなくても何のサポートもありません。
途中で組み立て方が解らなくなっても同様です。
部品を自分で調達しなければならないのですが、その購入方法も購入者が自分で調べて調達をする必要があります。
そのやり方もほとんどの場合キット中に記載がありません。
もちろん頒布者に問い合わせることもできません。
(一部キットの中にはDIYオーディオの世界では非常に有名な”秋月電子通商”さんのネット通販用の番号が部品一覧に記入されているものもあります。)
という訳でDIYオーディオに足を踏み入れたばかりの方には少々ハードルが高い気がしますが、実は慣れてしまえばどうという事はありません。
ハンダごては触ったことがあるものの、基板に部品を付けたことがなかった自分でも半年経過した今では大抵のキットをちゃんと完成させられるようになりました。(有識者の方々にお知恵をお借りすることもありますが)
このブログではその「ちょっと高いハードル」を少しでも下げることができたら…と考え、様々なDIYオーディオの紹介をしていこうと思っています。
【Linear Mobile Battery 3S2とは?】
では本題に入っていきましょう。
このLinear Mobile Battery 3S2とは何者でしょう?
平たく言ってしまえばみなさんよくご存じの“モバイルバッテリー”のオーディオ用という事になります。
見ての通り非常に大きく重たいのですが、なぜこのようなものが必要か?と疑問に思う事と思います。
DIYオーディオの世界では電源は非常に重要視されていて、普通のモバイルバッテリーでは供給できないクリーンな電源を用意することでポータブルオーディオの音質を向上させようというものです。
中には18650という非常にパワフルな充電池を6本使います。
品名の最後についている3S2P とは「3本を直列につないだものを2系統並列でつないでいる」という意味です。
※注意なのですが、この18650バッテリー。
非常にパワフルでオーディオ用途に向いているのですが、反面取り扱いが難しい部分があります。
+ と - をショートさせてしまうと電池が破裂したり火事になったりします。
取り扱いには十分注意をしてください。
【組み立ての注意点】
まず、このキットは同人キットの中でも部品点数が少なく、ハンダ付けが難しい箇所も少ないので初心者にもおすすめです。
しかし、このキットは一度組み立ててしまうとやり直しがききません。
なめてかかると痛い目にあいますので注意深く1ステップごとに進めていく必要があります。
【部品調達】
このような説明書が付いてきます。
部品調達する際にはこの説明書を熟読する必要があります。
必要な工具等も書いてありますのでよく読んでおいてください。
中にはパーツリストもあります。
このキットでは付属する部品はこのパーツリストに貼り付けてあります。
黄色に塗りつぶされた部品は購入者が自分で調達するものですので、キチンと部品が張り付けてあるかどうか確認してください。
テープで張り付けてあるのですが、たまに外れて袋の中に落ちていたりします。
黄色の部品の多くは秋月電子通商さんの通販コードが書いてありますので、Webショップから注文してください。
【バッテリ保護ボードHX-3S-FL25A】
さて、部品調達最初の難関は 「バッテリ保護ボードHX-3S-FL25A」です。
この部品は充電池である18650を監視して過充電・過放電から18650を守る役割を持っています。
これが です。
Amazon か アリエクスプレス で購入することができます。
どちらで購入しても結局中国から送ってくるので時間がかかります。
最低で2週間、下手すると3ケ月コースですので、気長に待つしかありません。
で、この基板なのですが、バッテリの保護を行う重要な部品のくせに超要注意です。
今回は2個のLinear Mobile Battery 3S2を作成しましたが、3つ購入しているのには訳があります。
赤〇の所を見てください。
ICの足が浮いていてハンダ付けがキチンとできていません。
最近この手の部品は日本製が出回ることがなく中国から買うしかないのですが、品質がこの程度のものが混じってきます。
上の写真でもお分かりかと思いますが、部品があっちこっち向いてしまっています。
という訳で、部品の入手もめんどくさい上に届く部品はこの精度です。
ルーペでキチンと目視してキチンとはんだ付けできているか確認してください。
後で気が付いても、このキットは部品を外すのが非常に大変です。
先に確認しておく方が確実です。
【Keystone Electronics 1048・1048P】
これはバッテリホルダです。
18650には+極が出っ張っているものと平らなものがあります。
写真の物は平らなタイプですので、バッテリホルダは 1048 の方を購入する必要があります。
ここを間違えるとせっかく購入したのに使えないという事になりますので注意が必要です。
Digi-KeyやMOUSERから購入できます。
アリエクスプレスほどではないにせよMOUSERは品物が届くまでに時間がかかります。
できますが…18650が2本納まるホルダが800円以上します。
非常に高い部品ですし、それが3個必要です。
ただ、説明書にも記載されている通り互換品があります。
アリエクスプレスで見つかりますが、届いた部品が本当に互換しているかどうかは神のみぞ知るです。
価格は下手をすれば80円ちょっとから見つかりますので、自己責任で探してみてください。
【アルミケース「VG-AL24」】
調達が面倒な最後の部品はケースです。
アリエクスプレスで購入できます。
届くまでに時間がかかりますから、そのつもりで注文を出しましょう。
自分が購入したところでは「ノーマル」「壁掛け用」があり、セラーから「壁掛け用ですよね?」と何回も問い合わせが来て閉口しました。
アリエクスプレスで買い物をすると問い合わせはほとんど英語です。
Google翻訳などを駆使して乗り越えてください。
【スポンジ】
部品表にはありませんが、厚め(20㎜程度)のスポンジを用意しておくと便利です。
バッテリがケースの中で外れないように押さえに使います。
しっかり目の弾力があれば食器洗い用の物を切って使ってもかまいません。
さて、部品が揃ったところで今回は終わりです。
次から組み立ての注意手について書いていきます。