D-Audio HPA-001 組み立て説明書
※部品表より先にこちらをご覧ください。
最後まで一度目を通してから部品表を基に部品集めをしてください。
【注意事項】
- このキットは実験機版です。
- 基本的にノンサポート・ノークレーム・ノーリターンです。
- 本品を使用して生じたいかなる損害・被害に関して当方は一切の責任を負いません。
- このキットに関して ぽっけさんに問い合わせをするのはご遠慮願います。大変な迷惑行為になります。
- このキットの基本設計は ぽっけさん によるものですが、もしも万が一「設計上おかしくないか?」「こんなん意味なくない?」等の感想を持たれた場合、その部分はだいずのリクエストにより変更・追加された部分である可能性大です。
このキットを ぽっけさん の設計手腕の判断材料に使わないでください。
【部品表リンク】
https://1drv.ms/x/s!AmZzPsFrYOCwk_V5IRKzKIYzOG76Nw?e=h4pkqB
【特徴】
1.タイプによる違い
HPA-001にはNormal・S・ExS の3タイプを想定してあります。
部品表のNo.の横にある "-" で組み立てればNormal "S"で組み立てれば Sタイプ、"ExS"で組み立てれば ExSタイプになります。(共用備品は"-"で表記してあります。)
Normal・S・ExS の3タイプ はあくまでタイプの違いでありNormalよりExSの方が音質がいいとは限りません。
音の感じ方には個人差がありますので、好みで組み立ててください。
なお、Normal< S < ExS の順で部品代は高くなります。
(部品表は随時更新されます。)
2.コンデンサの増減による音の違い
C11~22 までのコンデンサを増減することによって音質が変化します。
下図に示すように黄・赤・緑 の 4個単位でコンデンサを増減できます。
最初は黄色枠にコンデンサを実装してみて音を聴いてみて、赤枠、緑枠とコンデンサを増やしてみて音の違いを楽しんでみてください。
※コンデンサを取り付けた直後では音が安定していないことが多々あります。
200時間程度までは音が変化し続けるので、焦らずに聴き込んでください。
また取り付けるコンデンサの種類によっても音質が変化します。
部品表にないコンデンサを使用する場合、耐圧16V以上・高さ12㎜以下・本体径Φ8㎜のものを使用してください。
3.オペアンプによる音の違い
Normal・S ・ExS のタイプ違いでも指定のオペアンプが違いますが、タイプによらずオペアンプを交換することで音質の違いを楽しめます。
※オペアンプは2回路入りを選んでください。動作電圧には十分注意してください。
すべてのオペアンプが使用できるわけではありません。
音が出なかったり、ひどいノイズがのるものがありますので自己責任で選択してください。
(OPA1612やOPA627は動きませんでした。)
4.電源による違い
単三型4本と006P型 1本or2本で使用できます。
@pokke さんの基本設計では単三型4本を使用しています。
HPA-001では006P 9Vの使用を推奨しています。
※9Vにした場合 電源ランプが眩しくなってしまいますので R17を300kΩ以上の物に変更してください。
9Vにするとオペアンプの選択の幅が広がります。
また2並列にする事で使用時間が伸びますのでお試しください。
下図のような部品を作成して006P2本での運用ができます。
【必要な道具】
□ハンダごて(温度調整式が望ましい)
☆おススメ→ 本体:HAKKO FX-601 こて先:T18-D16
□ハンダ
☆おススメ→ goot RMAタイプ無洗浄はんだ 高密度集積基板用
お好みのはんだを使っていただいて構いませんが、慣れていない方はいわゆる「共晶ハンダ」に近いものをお使いになるほうが作業が圧倒的に楽で失敗が少なくなります。
高音質ハンダも各種売られていますが、オヤイデ電気のSS-47は比較的作業もしやすく鉛も入っていません。
□カプトンテープ(基板裏側の絶縁用)
□フラックス
☆おススメ→ HOZAN H-722
□フラックスクリーナー
☆おススメ→ FLUX CLEANER Z-275
□マスキングテープ(部品の仮止め用)
□ピンセット(必要に応じて)
□ニッパー(小型の物・主に部品の足を切るのに使います)
□六角レンチセット(ボリュームつまみ・六角穴付き止めねじ・六角穴付きボルト 用)
□ラジオペンチ(中型の物)
□カッターナイフ(基板を切り離すのに使います)
□ヤスリ(切り離した基板の形を整えるのに使います。)
【組み立て】
基本的に部品表の上から作っていけば問題ありません。
1.基板のカット
基板はメインの基板と表・裏の蓋が一枚になっています。(中央の蓋は使いません)
カッターナイフで2~3回傷をつけて、傷つけたほうから反対側へ折り曲げると簡単に折れます。
飛び出た部分はヤスリで削って形を整えてください。
(百均のダイヤモンドヤスリが便利です。)
2.抵抗の取り付け
抵抗は下図のように足を折り曲げ、基板の◎が付いたほうに抵抗の本体側を取り付けます。
R17に関しては9V仕様にした場合 LED1 が眩しくなりすぎてしまうので200KΩ以上の物を使用してください。
3.コンデンサの取り付け
コンデンサには下図のようなマークがついています。
マークと基板についている印を合わせてください。
※写真ではマークと基板の印がわかりやすいように浮かせていますが、実際の取り付け時には奥まで押し込んでハンダ付けしてください。
部品表にある ニチコンMUSE・ES と C2,3,5,6 のスチロールコンデンサ、C9,10の積層セラミックコンデンサには極性がありませんのでどちら向きに取り付けても構いません。
4.トランジスタの取り付け
Q1~4のトランジスタを取り付けます。
基板のマークとトランジスタの頭の形を合わせて取り付けてください。
トランジスタの足は放熱の役割も持っていますから、あまり奥まで押し込んで足を短くしないでください。
目安として基板からトランジスタのてっぺんが9mm程度になるようにすると良いかもしれません。
5.XHコネクタ ベース付ポストトップ型 の取り付け
向きを間違えると通電した瞬間にアンプが壊れます。
実装例の写真をよく見て、向きに注意してください。
このXHコネクタに部品表の 「バッテリースナップ XHコネクタ付」 を差し込みます。
つけたスナップに「電池ボックス 単3×4本 Bスナップ」をつければ6V運用になります。
つけたスナップに直接006P電池をつければ9V運用になります。
HPA-001ではオペアンプの選択の広さから9V運用をお勧めします。
6.フラックスクリーニング
ここまで実装したらフラックスクリーナーでクリーニングをしてください。
可変抵抗やジャックにクリーナーで溶けたフラックスが入り込むと不具合の原因になります。
7.スイッチ付き可変抵抗の取り付け
VR1のマーキングがあるところに可変抵抗を差し込みマスキングテープなどで仮止めして裏側からハンダ付けします。
この時しっかり仮止めができていないと可変抵抗が傾いてついてしまいます。
ハンダ付けが終わってから傾いていることが発覚すると足が8本もありますので、すべてを剝がすのに大変苦労します。経験がないとほぼ無理ゲーになりますので十分注意してください。
8.LEDのとりつけ
LEDにも極性があります。
足の長いほうが「+」で、基板の「▶│」マークの「│」側に足の短い「-」が来るようにします。
LEDにの取り付けは2通りあります。
①正面パネルの穴の奥からLEDの光がのぞくように取り付ける方法
極性を間違えないようにLEDを基板に差し込み、正面パネルを仮止めして穴の高さにLEDを合わせてズレないようにハンダ付けします。
②正面パネルの穴にLEDの発光部をはめ込む方法
極性を間違えないように、LEDを発行部から6mmのところをラジオペンチで90度に曲げて、取付穴に差し込んでおいて、正面パネルをVR1に仮止めします。
そのあと位置を合わせて正面パネルの穴にLEDの発光部を差し込んで高さを決定します。
その位置でズレないようにハンダ付けします。
9.3.5mmジャック・4.4mmジャックの取り付け
可変抵抗と同じようにマスキングテープで仮止めして、裏側からハンダ付けしてください。
浮いたり傾いたりすると正面パネルと位置が合わなくなって修正が大変です。
10.丸ピンICソケット(8P)の取り付け
オペアンプを基板の印向きにマスキングテープで仮止めして裏側からハンダ付けしてください。
この時にソケットの凹みと基板のマークを合わせてください。
向きを間違えると後々オペアンプを挿すときに間違いのもとになります。
オペアンプ交換で音の変化を楽しむ場合は下図のように IC1,2 の「丸ピンICソケット(8P)」を2段重ねにして、上のソケットは常にオペアンプを挿しておき、上のソケットごと抜き差しするとオペアンプの足を曲げないで済みます。
オペアンプはソケット(基板)の凹み側とオペアンプの上面にある凹みマーク(上面に〇がついているものもある)を合わせてください。
逆さに挿してしまうと電源を入れた瞬間にオペアンプが壊れます。
11.動作確認
この時点で動作確認をしてください。
まだ裏側を絶縁していないので金属製の物が裏側に触れないように注意が必要です。
12.カプトンテープの張り付け
動作確認が終わったら余分にはみ出た足を全てニッパーで切り落としてからカプトンテープで裏側を覆います。
カプトンテープを貼っておかないと裏側でショートして故障の原因になります。
必ずカプトンテープで絶縁してください。
13・ケースの組み立て
タカチ電気工業MX2-8-13 丸型モバイルケースを使います。
このケースは上下に二分割されていて前後からネジ止めすることによって上下が固定されるようになっています。
①前後がズレていないことを確認して、裏パネルを「ステンレス 六角穴付きボルト」で取り付けます。
パネルは若干の余裕を持たせてあるので、ボルトを締め込むときにボルトの回転方向にパネルがズレることがあります。
この時向かって右側のネジを先に仮止めして、左側をねじ込むときに裏パネルの位置をきっちり合わせてねじ込み、後から右側を締め込むとパネルの位置がきれいに決まります。
②続いて「六角穴付き止めネジ」を取り付けます。
止めネジをどこまで締め込んでいいか解らなくなるので、最初に止めネジに「黄銅(ニッケルめっき) ロ-レットナット ツバ付」を面一くらいになるように取り付けておきます。
③作成した基板に表パネルを取り付けます。
可変ボリュームに付いているナットを外して表パネルを取り付けますが、最初はあまり締め込まないでおきます。
ケースに収めてローレットを締めて位置が決まってから可変ボリュームのナットを締め込んで、表パネルの固定をします。
14.ボリュームにつまみの取り付け
最後にボリュームつまみを取り付けて完成です。