【はじめに】
- この記事に関する内容をblue-7さんに問い合わせするのは絶対にやめてください。
- この記事を読んで起きた事、全てにおいて筆者も頒布者も一切の責任を負いません。
- すべて自己責任で行ってください。
【Linear Mobile Battery 3S2】
今回は blue-7 さん 作 ”Linear Mobile Battery 3S2P” を作ってみました。
このキット もちろん市販キットではなくいわゆる”同人キット”です。
↓こちらから購入することができます。
ですが、購入する時も
- 「サポートは一切ありません」
- 「仕様や組み立てにはある程度の知識が必要です」
- 「市販品ではございません、同人ハードウェアをご理解の上でのご購入となります。」
といったチェックボックスに「確認しました」と入れてあげないと購入画面に進みません。
【同人キットについて】
では、同人キットとは何でしょうか?
オーディオに関わらずご自身で設計ができる方が「これはみんなが使えたらいいかも!」と考え、設計した物を「基板のみ」や「一部部品付き」の形で購入できるようにしてくださった物です。
同人キットには多くの場合「販売」ではなく「頒布」という言葉が使われます。
広く配って行きわたらせること。また、広く行きわたること。(weblio デジタル大辞泉より) とありますが、多くの場合基板作成時に必要な費用の実費を購入者が負担する形になります。
購入時に販売ページをよく読めばわかりますが、購入したからと言って組み立てた後にたとえ全く動かなくても何のサポートもありません。
途中で組み立て方が解らなくなっても同様です。
部品を自分で調達しなければならないのですが、その購入方法も購入者が自分で調べて調達をする必要があります。
そのやり方もほとんどの場合キット中に記載がありません。
もちろん頒布者に問い合わせることもできません。
(一部キットの中にはDIYオーディオの世界では非常に有名な”秋月電子通商”さんのネット通販用の番号が部品一覧に記入されているものもあります。)
という訳でDIYオーディオに足を踏み入れたばかりの方には少々ハードルが高い気がしますが、実は慣れてしまえばどうという事はありません。
ハンダごては触ったことがあるものの、基板に部品を付けたことがなかった自分でも半年経過した今では大抵のキットをちゃんと完成させられるようになりました。(有識者の方々にお知恵をお借りすることもありますが)
このブログではその「ちょっと高いハードル」を少しでも下げることができたら…と考え、様々なDIYオーディオの紹介をしていこうと思っています。
【Linear Mobile Battery 3S2とは?】
では本題に入っていきましょう。
このLinear Mobile Battery 3S2とは何者でしょう?
平たく言ってしまえばみなさんよくご存じの“モバイルバッテリー”のオーディオ用という事になります。
見ての通り非常に大きく重たいのですが、なぜこのようなものが必要か?と疑問に思う事と思います。
DIYオーディオの世界では電源は非常に重要視されていて、普通のモバイルバッテリーでは供給できないクリーンな電源を用意することでポータブルオーディオの音質を向上させようというものです。
中には18650という非常にパワフルな充電池を6本使います。
品名の最後についている3S2P とは「3本を直列につないだものを2系統並列でつないでいる」という意味です。
※注意なのですが、この18650バッテリー。
非常にパワフルでオーディオ用途に向いているのですが、反面取り扱いが難しい部分があります。
+ と - をショートさせてしまうと電池が破裂したり火事になったりします。
取り扱いには十分注意をしてください。
【組み立ての注意点】
まず、このキットは同人キットの中でも部品点数が少なく、ハンダ付けが難しい箇所も少ないので初心者にもおすすめです。
しかし、このキットは一度組み立ててしまうとやり直しがききません。
なめてかかると痛い目にあいますので注意深く1ステップごとに進めていく必要があります。
【部品調達】
このような説明書が付いてきます。
部品調達する際にはこの説明書を熟読する必要があります。
必要な工具等も書いてありますのでよく読んでおいてください。
中にはパーツリストもあります。
このキットでは付属する部品はこのパーツリストに貼り付けてあります。
黄色に塗りつぶされた部品は購入者が自分で調達するものですので、キチンと部品が張り付けてあるかどうか確認してください。
テープで張り付けてあるのですが、たまに外れて袋の中に落ちていたりします。
黄色の部品の多くは秋月電子通商さんの通販コードが書いてありますので、Webショップから注文してください。
【バッテリ保護ボードHX-3S-FL25A】
さて、部品調達最初の難関は 「バッテリ保護ボードHX-3S-FL25A」です。
この部品は充電池である18650を監視して過充電・過放電から18650を守る役割を持っています。
これが です。
Amazon か アリエクスプレス で購入することができます。
どちらで購入しても結局中国から送ってくるので時間がかかります。
最低で2週間、下手すると3ケ月コースですので、気長に待つしかありません。
で、この基板なのですが、バッテリの保護を行う重要な部品のくせに超要注意です。
今回は2個のLinear Mobile Battery 3S2を作成しましたが、3つ購入しているのには訳があります。
赤〇の所を見てください。
ICの足が浮いていてハンダ付けがキチンとできていません。
最近この手の部品は日本製が出回ることがなく中国から買うしかないのですが、品質がこの程度のものが混じってきます。
上の写真でもお分かりかと思いますが、部品があっちこっち向いてしまっています。
という訳で、部品の入手もめんどくさい上に届く部品はこの精度です。
ルーペでキチンと目視してキチンとはんだ付けできているか確認してください。
後で気が付いても、このキットは部品を外すのが非常に大変です。
先に確認しておく方が確実です。
【Keystone Electronics 1048・1048P】
これはバッテリホルダです。
18650には+極が出っ張っているものと平らなものがあります。
写真の物は平らなタイプですので、バッテリホルダは 1048 の方を購入する必要があります。
ここを間違えるとせっかく購入したのに使えないという事になりますので注意が必要です。
Digi-KeyやMOUSERから購入できます。
アリエクスプレスほどではないにせよMOUSERは品物が届くまでに時間がかかります。
できますが…18650が2本納まるホルダが800円以上します。
非常に高い部品ですし、それが3個必要です。
ただ、説明書にも記載されている通り互換品があります。
アリエクスプレスで見つかりますが、届いた部品が本当に互換しているかどうかは神のみぞ知るです。
価格は下手をすれば80円ちょっとから見つかりますので、自己責任で探してみてください。
【アルミケース「VG-AL24」】
調達が面倒な最後の部品はケースです。
アリエクスプレスで購入できます。
届くまでに時間がかかりますから、そのつもりで注文を出しましょう。
自分が購入したところでは「ノーマル」「壁掛け用」があり、セラーから「壁掛け用ですよね?」と何回も問い合わせが来て閉口しました。
アリエクスプレスで買い物をすると問い合わせはほとんど英語です。
Google翻訳などを駆使して乗り越えてください。
【スポンジ】
部品表にはありませんが、厚め(20㎜程度)のスポンジを用意しておくと便利です。
バッテリがケースの中で外れないように押さえに使います。
しっかり目の弾力があれば食器洗い用の物を切って使ってもかまいません。
さて、部品が揃ったところで今回は終わりです。
次から組み立ての注意手について書いていきます。